特集 高齢患者の泌尿器疾患を診る―転ばぬ先の薬と手術
企画にあたって
小島 祥敬
1
1福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座
pp.353
発行日 2020年5月20日
Published Date 2020/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206924
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かつてはわが国においても欧米各国と同様,高齢者は65歳以上と定義されていました.しかし2017年に,「高齢者の定義と区分に関する日本老年学会・日本老年医学会高齢者に関する定義検討ワーキンググループ」から,従来高齢者とされてきた65歳以上の人でも,心身の健康が保たれており活発な社会活動が可能な人が大多数を占めているという調査結果により,65歳から74歳を准高齢者,75歳から89歳を高齢者,90歳以上を超高齢者とするという提言がなされました.
寿命が長くなれば長くなるほど,泌尿器疾患に罹患する確率が高くなります.私が医師になった頃に比べて,いわゆる高齢者や超高齢者の治療に携わる機会がかなり増えたと実感しています.「活発な社会活動が可能」とはいえ,薬物治療を行ううえでは有害事象の発症率が高く,特に併存疾患を有する場合は手術適応や手術方法の選択には頭を悩ませる機会が少なくありません.そのような高齢者や超高齢者に対してどのように私たち泌尿器科医が対処すべきか,意外とまとまった教科書や雑誌の特集はこれまでありませんでした.そこで今回,皆さんのご期待に応えるべく,「高齢患者の泌尿器疾患を診る―転ばぬ先の薬と手術」というタイトルで,特集を組ませていただきました.
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