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編集後記
大家 基嗣
pp.384
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205704
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東京に住んでいますと,他人から声をかけられることはめったにありません.酒場で話しかけられると,「ああ関西にいるのだな」と,実感いたします.関西以外での滞在なのに頻回に話しかけられた経験があります.1泊の滞在中にいろいろな方に声をかけていただいた経験はこの10年間に唯一なのではっきりと覚えています.場所は富山市でした.
ふと思い立って,富山県立近代美術館に行きました.館内は私以外に客らしき人影はなく,がらんとしていました.受付にいらっしゃった女性は学芸員あるいはキュレイターらしく,館内の見所を教えてくださいました.随分と踏み込んだ解説をしていただき,そのとき知ったのがフランシス・ベーコンの「横たわる人物」という作品です.知らなかった世界に私を引き込んでくれました.2013年に国立近代美術館で開催されたフランシス・ベーコン展でその絵と再会しましたが,そのなかでも群を抜いた傑作だと思いました.
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