特集 ロボット時代の泌尿器科手術①—前立腺癌に対する新たなスタンダード
企画にあたって
小島 祥敬
1
1福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座
pp.809
発行日 2015年9月20日
Published Date 2015/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205447
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私が初めてロボット支援前立腺全摘除術(RARP)を生で見学したのは,2005年,フランス・ボルドーにあるSaint Augustin病院でした。第一世代のda Vinci® surgical system(いわゆるStandard da Vinci®)を使っての手術でしたが,医療工学の著しい進歩に感動したことを覚えています。
1999年にStandard da Vinci®が世に出たのち,2000年にはRARPが世界で初めて報告されました。そして2006年のda Vinci STMの登場とともに,米国を中心に一気に普及しました。私は当時,今後わが国においてもロボット支援手術が,泌尿器科領域において中心的役割を果たすであろうと考え,2008年に米国ペンシルベニア大学に留学しました。そこで,フランスで見たStandard da Vinci®からさらに進化したda Vinci STMと出会い,わが国においても近い将来,RARPが標準的手術となることを確信しました。その後は皆さんのご存知のとおりです。2009年にda Vinci STMが薬事承認され,2012年4月にRARPが保険収載されるとともに急速に普及しました。今では,da Vinci SiTM,da Vinci XiTMと,さらに進化したロボットが登場しています。
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