Japanese
English
特集 進行性前立腺癌の治療
末期癌疼痛に対する集学的治療
Combined Modality Therapy for Pain Relief on Advanced Prostate Cancer
吉田 和弘
1
,
寺島 保典
1
,
木村 剛
1
Kazuhiro Yoshida
1
,
Yasumori Terashima
1
,
Go Kimura
1
1日本医科大学泌尿器科学教室
pp.229-234
発行日 1989年3月20日
Published Date 1989/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204941
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
1967年,VACURG1)がエストロゲン療法にて血管系障害による死亡者の多いことを統計的に示した。その反省から,欧米では前立腺癌の有骨転移例に対して内分泌療法(とくにエストロゲン投与)は姑息的治療として用いられているようである。わが国においても,初診時すでに骨転移を有する例が多いが,人種差から前述の内分泌治療がもたらす循環器障害は少ないとされ,通常内分泌治療を第一選択とする施設が多い。
しかし,内分泌治療有効例といえども患者の多くは数年以内に再発・再燃をきたし,加えて尿路通過障害,下肢運動障害とともに癌性疼痛に悩み,長い闘病生活に苫しむ。進行性前立腺癌の癌性疼痛は不眠や食欲不振だけでなく、痛みそのもので患者を哀弱させてしまう。われわれは、内分泌治療に対して初回より抵抗性を示したか,あるいは一時寛解したのち再発して進行性の癌性疼痛を主徴として入院した患者を対象として放射線治療・Cis-diamminedichloro platinum(以下,CDDP)単独化学療法,および多剤併用化学療法を試み,その除痛効果を中心に比較検討してみた。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.