Japanese
English
Bedside Teaching
末期癌の疼痛対策
Pain management in terminal cancer
西立野 研二
1
Kenji Nishitateno
1
1東京大学医学部麻酔学教室
1Department of Anesthesiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.1047-1051
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205130
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根治の機会や手段を失ってしまった末期癌患者のほとんどは,痛みをはじめ,さまざまの苦痛を体験する。この時期の患者に対しては,苦痛の軽減,除去を目標にした世話(care)をして,残された時間を楽しく,有意義に過ごさせてあげたい。末期癌患者の苦痛のなかで最も患者を苦しめることの多いのは痛みである。癌患者の痛みは癌病変によることが多いが,他の病変によることもある。一種類の痛みのこともあるが,多くの場合には複数の種類の痛みが混在している。痛みの原因を診断することも大切であるが,それよりもはるかに大切なことは痛みそのものを完全に除去するための対策を直ちに講じることである。鑑別診断がつくまで放置しておくわけにはいかない。これから,肺癌を例にして,末期癌患者の疼痛対策について述べてみたい。
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