Japanese
English
手術手技
経胸,経横隔膜,腹膜外式副腎摘術
Transthoracic Transdiaphragmatic Adrenectomy
赤阪 雄一郎
Yuichiro Akasaka
pp.973-978
発行日 1988年11月20日
Published Date 1988/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204864
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
副腎は身体の深奥部にあり,肋骨弓や腹腔内臓器に囲まれて存在するため,その手術においては前方(経腹式),側方(経腰式),後方(経背式)などの到達法があるが,どの術式においても手術創に比べて得られる視野が深く狭いことや,麻酔上の問題で,いずれの術式も一長一短がある。われわれは術前に局在診断の確定した症例に対して経胸,経横隔膜,腹膜外式到達法(以下経胸式)を用いて,好結果を得ているので,ここでこの術式について図説する。
適応
本術式は基本的には,一側の副腎を対象としたアプローチであるので,術前に部位診断の確定した症例が適応である。また疾患および種瘍の大きさからいえば,クッシング症候群,原発性アルドステロン症,無機能性腫瘍などで,直径3cm内外までの症例がよい適応である。術中腹腔内の観察が必要になった場合は,切開線を延長して開腹操作を加えれば,比較的容易に腹腔内の観察が可能であり,さらに対側副腎の観察も必ずしも不可能ではない。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.