文献抄録
脊損患者のESWLによる治療について
pp.978
発行日 1988年11月20日
Published Date 1988/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204865
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脊損患者では導尿のために膀胱の留置カテーテルをするので,慢性尿路感染があり結石形成がおこりやすく,また結石を除去しても再発率は非常に高い。著者らはESWLによる脊損患者の腎結石治療の成績について報告している。
患者は32名で,年齢は29歳から72歳までで,18名が頸髄,6名が胸髄,5名は腰髄の損傷である。傷害を受けてから治療までに平均21年経過している。また11名は腎切石術の既往歴がある。ESWLはHM−3Dornierを用いて,最高2400 shockを18〜24kvで行った。X線で腎結石の大きさが平均2.9cm,鋳型結石は7名で,うち2名は腎盂と腎杯の一部にまたがる部分的なもので,5名は完全鋳型結石であった。鋳形結石の治療は,まず腎盂結石にESWLを行って完全に結石を崩壊した後に腎杯結石にESWLを施行した。鋳型結石では平均2.1回砕石した。尿流障害防止の補助手段として,尿管カテーテル,Double-J Stent,腎瘻管は41回の砕石で24例(66%)に使用した。感染防止にはESWL施行前後に,尿細菌感受性検査の上Cefazolinを26例(81%)に投与した。麻酔は46回の砕石で,28回(61%)は全身麻酔,15回(33%)は脊髄麻酔,3回(6%)は局麻で施行した。
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