Japanese
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特集 尿失禁
脊損と二分脊椎患者の尿失禁の治療
Management for Urinary Incontinence of Patients with Spinal Cord Injury and Myelodysplasia
岩坪 暎二
1
,
坂本 泰樹
1
,
益田 幸行
1
Eiji Iwatsubo
1
,
Yasuki Sakamoto
1
,
Sachiyuki Masuda
1
1総合せき損センター泌尿器科
pp.597-601
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204785
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はじめに
膀胱には蓄尿と排尿の役目があり,「尿を漏らさないように貯め,尿を残さないように出す」働きがある。このために,骨盤自律神経と陰部神経が関与して排尿筋と括約筋の拮抗作用を調整している。尿を失禁する理由には,排尿筋の繊維化で膀胱容量がなかったり,括約筋が損傷されて尿の保持が出来ないなど器質的異常による場合もあるが,多くは膀胱および括約筋の機能異常(神経因性膀胱)である場合が多い。さらに,脊損頸損では手足が悪くて排尿の準備や始末をすることが不自由であるとか,二分脊椎では生まれながらに膀胱の感覚がないために排尿の必要性がわからず失禁するなどの特殊な問題があることも少なくない。したがって,尿失禁を治すには,膀胱の働きだけでなく患者の生活状況など尿失禁の起こっている原因を確かめて対処しなければならない。
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