Japanese
English
特集 尿失禁
切迫性尿失禁の治療
Treatment of Urge Incontinence
近藤 厚生
1
,
後藤 百万
1
,
斎藤 政彦
1
,
加藤 久美子
1
Atsuo Kondo
1
,
Momokazu Gotoh
1
,
Masahiko Saito
1
,
Kumiko Kato
1
1名古屋大学医学部泌尿器科学教室
pp.589-593
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204784
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はじめに
切迫性尿失禁とは,何の前触れもなく突然に強い尿意が襲い,不随意に尿が漏出する状態である。患者の多くは頻尿を同時に訴えることが多い。通常,尿道括約筋は正常に機能している。
切迫性尿失禁は,知覚性切迫性尿失禁(sensoryurge incontinence)と運動性切迫性尿失禁(motorurge incontinence)とに区別することが出来る。前者は急性膀胱炎,膀胱結石,閉塞性前立腺症などの器質的疾患が関与し,求心路へ過剰な刺激を送信して,頻尿,切迫性尿失禁を発症させる。心身症と診断される患者の特徴は昼間,特に外出時には頻尿と切迫性尿失禁を訴えるが,就寝時にはこれらの症状が消失する点である。しかし臨床的に心身症と知覚性切迫性尿失禁とを鑑別することは困難なことが多い。尿流動態検査では膀胱容量が小さいことを除き,膀胱像,排尿筋収縮力,尿線の勢いなどはすべて正常である。
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