Japanese
English
特集 尿流態検査の実際
尿道括約筋筋電図
Urethral Sphincter Electromyography (EMG)
朴 英哲
1
,
金子 茂男
1
Young-Chol Park
1
,
Shigeo Kaneko
1
1近畿大学医学部泌尿器科学教室
pp.663-667
発行日 1987年8月20日
Published Date 1987/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204545
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はじめに
円滑な排尿と尿禁制を保つうえで,尿道外括約筋は重要な役割を担つており,筋電図によるその活動状態の把握は,病態の解明,治療にとつて,今や欠くことのできない検査法のひとつとなつている。その評価法については,純粋に筋電図学的見地から,神経筋単位(NMU)の電位を検討することにより,原疾患の性質,病巣を同定する方法のほか,Franksson and Petersén(1955)が尿道外括約筋の協調異常にもとづく排尿障害の存在を初めて明らかにし1),以後,排尿筋との協調状態の観察,すなわち排尿筋括約筋協調不全についての検討も数多く行われている2〜7)。また,Rushworth(1967)が陰茎電気刺激により誘発された球海綿体反射(bulbocavernosus reflex:BCR)を電気生理学的にとらえ,その信頼性を強調して以来8),BCRをはじめとする仙髄誘発筋電図に関する検討も多数報告されている9〜13)。治療面では,陰部神経ブロックや経仙骨孔ブロックの効果判定にも応用され,尿道括約筋筋電図の臨床における価値は高い。
尿道括約筋を支配する下位運動ニューロンは,第2〜第4仙髄前角に位置するOnuf核に細胞体を有し,その上位中枢は中脳・橋・網様体にあるとされている。
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