小さな工夫
外尿道括約筋筋電図を針電極で経尿道的に導出するための工夫
能登 宏光
1
,
原田 忠
1
,
菅谷 公男
1
1秋田大学医学部泌尿器科学教室
pp.544-545
発行日 1984年6月20日
Published Date 1984/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203835
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近年,排尿における尿道機能の重要性が指摘されるようになり1),私たちも神経因性膀胱患者の臨床症状や尿路管理成績に尿道機能状態が大きく関与することを報告してきた2)。しかしながら,尿道機能評価に有用とされる外尿道括約筋筋電図測定は,活動電位導出に技術を要することから,一部のurodynamics専門家により行われているにすぎない。そこで私たちは,誰にでも簡単確実に,しかも患者にそれ程苦痛を与えず,外尿道括約筋筋電図を導出できる方法はないかと考え,第1図に示すようなカテーテルと電極を作製した。
カテーテルは16Fr.のバルーンカテーテルのバルーンを除去し,導尿用経路内に5Fr.の尿管カテーテルを挿入して,第1図(a)のようにバルーン用経路開口部より約5cm離れた所で外に導き固定したものである。したがつて,カテーテルは3経路を有し,従来の導尿用経路を膀胱内水注入用,バルーン用経路を膀胱内圧測定用,新設経路を電極用とした。電極は直径0.2mm,長さ1cmの単極で,導線は第1図(b)のようにテフロンチューブで被覆した。
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