文献抄録
根治的前立腺全摘除後の放射線体外照射治療
pp.841
発行日 1986年10月20日
Published Date 1986/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204360
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限局性前立腺癌の治療は,根治的前立腺全摘除と骨盤リンパ節の郭清術が主流であるが,臨床的に初期癌と診断された症例でも術後の病理学的検索によると20〜50%の症例が前立腺被膜をこえて浸潤(stage C)しているか骨盤内リンパ節に顕微鏡的転移(stage D1a)が認められている。このような症例に対して,局所再発や遠隔転移防止のために著者らは補助療法として体外照射法を施行して,その成績を報告している。
症例は1977年5月から1983年6月の間に臨床的にstage A,B1,B2と診断して根治的手術およびリンパ節郭清を実施した147例の中から術後の体外照射を補助療法として採用した45例についてのfollow upである。根治手術の留意点としては,術後の下肢浮腫発生防止のため旁外総腸骨節は摘出せず,また摘出前立腺縁の尿道と膀胱頸部の組織については凍結切片で癌浸潤の有無を検索した。
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