小さな工夫
腹腔鏡補助根治的前立腺または膀胱全摘除術
萬谷 嘉明
1
,
阿部 俊和
1
1岩手医科大学泌尿器科
pp.83
発行日 1995年1月20日
Published Date 1995/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901375
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根治的前立腺全摘除術や根治的膀胱全摘除術におけるサントリーニ静脈叢の処置,前立腺尖部と尿道の剥離切断,尿道断端と膀胱頸部(あるいは代用膀胱の吻合口)との吻合の際などに,腹腔鏡を拡大鏡ならびに光源として補助的に用いたところ当初の予想以上に有用であったので報告する。
手術の準備は,通常の根治的前立腺全摘除術や根治的膀胱全摘除術の器械に加えて腹腔鏡ビデオモニターシステムを準備するだけでよく,気腹装置や腹腔鏡手術用鉗子類を必要とせず簡単である。手術の際の腹腔鏡の操作もまた簡単で,助手が腹腔鏡を腹壁の切開創の適当な部位より挿入し,前述したような恥骨下の深く,狭く,暗い術野を腹腔鏡の光で照らしながらTVモニターに写すだけでよい(図)。
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