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特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル
Ⅵ 術式別にみた術前・術後管理
072 ロボット支援根治的前立腺全摘除術
Perioperative care of patient undergoing robotic-assisted radical prostatectomy
権藤 立男
1
,
吉岡 邦彦
1
,
奈倉 武郎
2
,
内野 博之
2
,
橘 政昭
1
Tatsuo Gondo
1
,
Kunihiko Yoshioka
1
,
Takeo Nagura
2
,
Hiroyuki Uchino
2
,
Masaaki Tachibana
1
1東京医科大学泌尿器科
2東京医科大学麻酔科
pp.387-393
発行日 2012年4月5日
Published Date 2012/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102749
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[1]はじめに
ロボット支援手術は,腹腔鏡下手術の欠点を克服するための多機能を組み込んだ手術用ロボットを用いた革新的な手術方法である。泌尿器科領域では,2001年にIntuitive Surgical社(Sunnyvale,CA,USA)製の手術用ロボット,daVinci® surgical systemを用いたロボット支援根治的前立腺全摘除術〔robotic-assisted radical prostatectomy:RARP〕が米国FDAの認可を受けて以来爆発的に普及した。米国では2009年に85%以上の根治的前立腺全摘除術がRARPで施行されるに至り,限局性前立腺癌に対する標準術式として完全に定着した1)。日本でも2009年にdaVinci®S surgical systemが薬事承認されて以来導入施設は増加傾向にあり,泌尿器科におけるRARP施行件数も急激に増加しつつある。RARPにおいても前立腺全摘という手技に起因した合併症に関しては従来の手術方法と同様の注意が必要であり,また周術期管理も腹腔鏡下前立腺全摘除術に準じるところが多い。RARPが他の術式と異なる点は,特殊な体位(30度頭低位)の必要性と,手術用ロボットという新たな手術器械を使用する点にある。本項では泌尿器科的ならびに麻酔科的知見からRARPにおける合併症と予防法を中心に,周術期管理に関して述べさせていただく。
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