Japanese
English
講座 新しい栄養療法
V.癌治療の際の栄養管理
Nutritional Supports during Anti-Cancer Therapies
平松 義文
1
,
西 正晴
1
,
小島 善詞
1
,
真田 俊明
1
,
中川 学
1
,
畑埜 武彦
1
,
日置 紘士郎
1
,
山本 政勝
1
Yoshifumi Hiramatsu
1
1関西医科大学外科学教室
1Department of Surgery, Kansai Medical University
pp.365-370
発行日 1986年5月20日
Published Date 1986/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204266
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はじめに
進行癌患者においては,癌自体による消化管閉塞や組織破壊のみならず,制癌剤投与や放射線照射といつた治療に起因する食思不振,あるいはcancer enteropathyによる消化吸収不全など様々な原因によるprotein calorie malnutritionの状態にあることが多い。1967年,Dudrickら1)により報告された高カロリー輸液法と,1970年,Winitzら2)によるいわゆる化学的既成食(chemically defined diet)すなわちElemental Dietの開発は,かかるprotein calorie malnutritionの治療に画期的な貢献を果たすこととなつた。高カロリー輸液法や経腸栄養法といつた強制栄養法による癌患者に対する積極的な栄養管理は,耐術性の向上,術後合併症の軽減,術後照射や化学療法の完遂率向上につながり,ひいては癌患者の予後の改善をも期待しうるものである。
本稿では癌治療の際の栄養管理について,その適応,意義,限界および問題点を中心に概説する。
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