小さな工夫
陰嚢内臓器の超音波走査法
能登 宏光
1
,
木津 典久
1
1秋田大学医学部泌尿器科学教室
pp.371
発行日 1986年5月20日
Published Date 1986/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204267
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陰嚢内容は薄い陰嚢皮膚に覆われた表在性臓器であるため,超音波走査方法としては,直接皮膚表面から走査するよりも,陰嚢皮膚と探触子との間に氷嚢やコンドームに脱気水を入れたものを介在させる方法が用いられてきた。しかし,睾丸は圧迫により容易に変形するし固定も難しいため,最近では,ブロック状の樹脂マット(Kite-cko®)や表在性臓器専用セクタ探触子も市販されている。
これに対して,Bird1)やHricakとFilly2)は対側睾丸をacoustic windowとして超音波走査をする方法が,有痛性の陰嚢内病変の評価に役立つと述べている。私たちも,陰嚢内病変の超音波検査時には,まず第一にセクタ電子走査型探触子を用いて,対側睾丸をwindowとして病変を観察する方法を採用している(第1図)。面倒な操作を要さず,しかも探触子による圧迫で陰嚢内容物に変形を来すことなく,大きな睾丸腫瘍でも簡単に断層像を描出することができた(第2図)。
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