文献抄録
血清HCG値上昇のpure seminomaの放射線治療の評価
pp.215
発行日 1986年3月20日
Published Date 1986/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204235
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pure seminomaでHCG値の上昇をみる症例は約8%程度である。このHCG値上昇例の予後に関しての見解は諸家の報告は一致していない。この点について,著者らの経験例をもとに報告している。
症例は1950年から1982年までの210例の症例中,pure seminomaと組織学的に確認されて血清HCG値の上昇をみた10例の治療成績である。症例は平均年齢34歳で,腫瘍のstageはMaierの分類で,stage Iは3例,stage IIAは4例,stageIIBは2例,stagc IVは1例である。治療法は全例に根治的除睾術後,体外照射として総量2,500radsから3,900radsを150〜180 radsに分割照射した。照射部は両側の旁大動脈節と患側の総腸骨動脈節で,前後および後前方向より照射した。stage II A以上の症例は鎖骨上窩と縦隔洞へ2,000〜2,800radsを照射した。HCG値の測定は,除睾術の前後と放射線治療の前後ならびに患者の通院中に反覆行つた。HCG値は10例中6例は除睾術後も陽性であつたが,放射線照射完了後では全例陰性化した。
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