小さな工夫
超音波断層装置使用時における穿刺針について
阿部 裕行
1
,
西村 泰司
1
,
坪井 成美
1
1日本医科大学泌尿器科学教室
pp.357
発行日 1984年4月20日
Published Date 1984/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203798
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最近泌尿器科領域においても超音波断層装置(以下USG)の用いられる場合が多くなつた。われわれも腎嚢腫,水腎症の穿刺や経皮的腎瘻作製に際しUSGを用いている。穿刺針は,数分以上留置する場合,呼吸性移動,体動による先端での臓器損傷を避けるため,20cmのエラスターを多く利用してきた。このエラスターに対して極めて有用と思われる工夫を加えたので報告する。
皮膚から目標までの距離がUSGの画面に標示されるにもかかわらず,従来の20cmエラスターでは刺入距離が判然とせず,また画像上で穿刺針の先端の位置を知るには術者の経験,穿刺針の動きによるところが大きく,初心者には比較的困難であつた。そこでわれわれは付図のごとく,外套に目盛標示を行い,更に内套の先端部分に粗面加工を付した。これにより,刺入距離を容易に知ることができ,加えて,粗面加工部からのエコーの反射により,その先端が画面上に鮮明に表われるので,確実に認識することができる。よつて経験の浅いものにも施行可能となり,更に経験豊富なものにおいてもより安全に,より確実に操作できるようになつた。USGでの操作は直視下ではない以上,より安全であることが必須条件であり,今後も新たな工夫を加えたいと考えている。
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