増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅱ 併存症を持つ患者の評価とその術前・術後管理
1.心疾患
抗凝固薬使用時
杉本 昌之
1
,
古森 公浩
1
Masayuki SUGIMOTO
1
1名古屋大学血管外科
pp.49-51
発行日 2014年10月22日
Published Date 2014/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200077
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最近の知見と重要ポイント
□冠動脈疾患に対して薬剤溶出性ステント(DES)が多用されている.旧来のステントと比較し,DESが留置されている患者での抗血小板薬の中止は急性ステント血栓症のリスクが高い.留置されたステントの種類,留置時期に応じた対策が必要である.循環器内科医にコンサルトを行う.
□ワルファリンに代わる新規経口抗凝固薬(第Ⅹa因子阻害薬;アピキサバン,リバロキサバン)(トロンビン阻害薬;ダビガトラン)がわが国においても使用開始された.ワルファリンと異なり効果は速やかに消失するため,手術には好都合である.反面,早すぎる中止は血栓リスクが増大する.周術期の中止期間に留意する.
□閉塞性動脈疾患(ASO,Buerger病)に対して処方されている抗血小板薬はほとんどの場合,問題なく中止可能である.しかし,出血リスクが小さな手術であるならば,内服続行のまま手術を行う選択が勧められる.
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