今月の主題 各種病態における抗生物質の使い方
その他の疾患
抗癌物質使用時の感染
螺良 英郎
1
,
田村 正和
1
Eiro Tsubura
1
,
Masakazu Tamura
1
1徳島大学医学部・第3内科
pp.1904-1905
発行日 1983年11月10日
Published Date 1983/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218515
- 有料閲覧
- 文献概要
白血病,悪性リンパ腫を主とした悪性腫瘍における易感染性は,近年,compromised hostにおける感染として注目されているが,感染の誘因の代表に抗癌剤使用に基づく医原的宿主感染防御力低下があげられている.各種悪性腫瘍に対して,多剤併用療法を含む強力な癌化学療法が繁用されるにつれて,一部では医原的免疫抑制に基づくimmunocompromised hostでの易感染状態が誘導され,現在の抗生物質でいったんは効果を示すが,次第に菌交代症も加わり,抗生物質耐性菌や,真菌,ウイルス,原虫などによる難治感染症を合併して感染症死にいたることもある.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.