小さな工夫
経皮的腎瘻造設術における多用途チューブの使用
金藤 博行
1
,
加藤 弘彰
1
1山形県立中央病院泌尿器科
pp.85
発行日 1984年1月20日
Published Date 1984/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203738
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水腎症に対して経皮的腎瘻造設を行う症例のうち,診断または治療の目的で一時的腎瘻をおく症例,長期生存を望めぬ末期癌症例,全身状態不良などのため一期的に太いカテーテルを留置できない症例に対して,著者らは現在広く利用されている大動脈造影用のpigtail catheterに変えて,多用途チューブ(ATOM R)を使用し良好な結果を得ている。
pigtail catheterはループ部分が滑脱防止となるものの,硬く柔軟性に欠け取り扱いがやつかいで皮膚固定が面倒であり,患者に違和感を与えること,留置後水腎症の軽減とともにループが腎盂腎杯を圧迫するなど不都合な面も経験される。そこで著者らは,柔軟性に富み取り扱いに便利な多用途チューブを使用し,次のような利点を得ている。1)適度な硬さであり固定が容易で確実である。2)腎の呼吸性移動にも十分ついてゆき,滑脱の心配がない。3)症例に応じて自由に側孔をあけることができ,必要な場合には腎盂から尿管まで挿入しドレナージできる。4)挿入が容易である。5)安価である。
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