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講座
泌尿器科系疾患の微細構造の見方(5)—腎,特に近位尿細管の虚血性変化
The Appliance of Electron Microscopy in Diseases of the Urogenital Tract (5): Ischemic Change of Proximal Tubule Cells
坂口 弘
1
,
初鹿野 浩
2
,
長谷川 昭
3
Hiroshi Sakaguchi
1
,
Hiroshi Hazikano
2
,
Akira Hasegawa
3
1慶応大学医学部病理学教室
2都立清瀬小児病院病理
3都立清瀬小児病院泌尿器科
1Department of Pathology, School of Medicine Keio University
2Department of Pathology, Tokyo Metropolitan Children's Hospital
3Department of Urology, Tokyo Metropolitan Children's Hospital
pp.421-427
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203346
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Ⅰ.ヒト尿細管微細構造の変化を検討することの難しさ
微細構造の面からみて腎の虚血性変化というと,虚血に対して最もsensitiveな近位尿細管の変化をまず取り上げなければならない。
尿細管の電顕所見は灌流固定によつてみることが常識とされている。生検例ではこれはとてもできないことであり,腎腫瘍の際に手早く灌流固定をして腫瘍の影響を受けない尿細管の部分を電顕でみるぐらいしかできない。灌流固定と通常の固定の差は,電顕像ではかなりはつきりしており,灌流固定では尿細管腔が開いているが,通常の固定では細胞の膨出によつて内腔が閉じた像が得られる1,2)。
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