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講座
泌尿器科系疾患の微細構造の見方(1)—微細構造の見方の基礎
The Appliance of Electron Microscopy in Diseases of the Urogenital Tract (1):Fundamental Knowledge for Observation of Fine Structure
藍沢 茂雄
1
Shigeo Aizawa
1
1東京慈恵会医科大学病理学教室
1Department of Pathology, The Jikei University School of Medicine
pp.25-34
発行日 1982年1月20日
Published Date 1982/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203276
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はじめに
電子顕微鏡による微細構造の研究は医学の分野にひろくゆきわたつている。各大学,病院,研究所には電顕検索に必要な研究室が完備され,よく訓練された技術者が配置されている。泌尿器科領域でもその例外ではなく,尿路系,男性生殖器および副腎に関する研究報告は枚挙にいとまがない。しかし,一般にいえることは,臨床に携わる泌尿器科医は電子顕微鏡の取り扱いや,標本作製技術に暗く,また電顕写真の所見のとり方に難渋している。そのためラボの技術者にまかせることが多く,彼らは専門領域の医学の勉強をして来ていないため,的確に目標をとらえた電顕写真をつくり出すことに骨折つているに違いない。
これから12回に分けて掲載される"泌尿器科系疾患の微細構造の見方"は少しでもこの断層を埋め,電顕的検索の本来の目的である細胞,組織の微細構造と機能の結びつきを知り,診断上の価値や細織発生,病因を探る一助にと,泌尿器科領域に関して造詣の深い専門家に,わかりやすく御執筆していただくことになつた。紙面の制約があるため,この方面の疾患をすべて十分に網罹することはできないが,臨床に携わる泌尿器科医が微細構造を理解する上で役に立つ講座になることは間違いないと思われる。
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