講座
腫瘍と免疫(12)—非特異的免疫療法の将来
漆崎 一朗
1
Ichiro Urushizaki
1
1札幌医科大学第四内科
pp.1149-1154
発行日 1980年12月20日
Published Date 1980/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203064
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はじめに
本年7月Parisで国際免疫会議が開催され,ひきつづきBrightonで国際免疫薬理学会が開かれたことでもあるので,免疫療法の将来展望を加えて本講座の最終回としてみたい。まずわが国で主として開発され,現在広く用いられてきている植物性多糖体の免疫賦活作用について海外でも多くの興味がもたれていることは確かである。副作用のすくないものは臨床的に注目されるが,免疫賦活作用を介してどの程度の抗腫瘍性作用を発揮しうるかは必ずしも明確ではない。次の大きな興味の中心はinterferonを中心とする,リンパ球の活性物質であり,lymphokine,monokineなどのある種のものが抗腫瘍性免疫賦活物質として重視されてきていることである。量産体制が整うに伴い臨床応用が拡大されるものといえるが,今後の問題として残されている。
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