講座
腫瘍と免疫(4)—細胞性免疫,その成立と発現
漆崎 一朗
1
Ichiro Urushizaki
1
1札幌医科大学癌研内科
pp.331-337
発行日 1980年4月20日
Published Date 1980/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202931
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はじめに
生体の免疫反応としては血清中のγ-globulinに依存する体液性免疫と生きた感作リンパ球系細胞に依存する細胞性免疫の2つがあり,前者はB-cellに後者はT-cellに担われているとされている。現在,細胞性免疫として位置づけられる免疫反応には,遅延型過敏症,同種移植免疫反応,感染防御反応がある。これら3つの型の細胞性免疫は発現形態からすればそれぞれに異なつているが,宿主細胞が直接に反応に関与していること,いずれの反応も体液性成分で他の個体に同じ型の免疫反応を導入できないが,細胞成分でのみそれが可能なことである。細胞性免疫の発現,その成立機序について考察してみたい。
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