Case Study
前立腺針生検および除睾術後著明な出血傾向を発現した前立腺癌の症例
岡本 重禮
1
1聖路加国際病院泌尿器科
pp.181-184
発行日 1980年2月20日
Published Date 1980/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202908
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76歳の男性,会社役員。会社の定期健診で貧血を指摘され,精査のため当院内科に入院。赤血球形成障害および汎血球減少症の診断がつけられたが,その原因が前立腺癌の骨転移によるものではないかとの疑いがもたれ泌尿器科に転科された。診断を確定するため腰麻下で経直腸的前立腺針生検を行ない,凍結切片にて病理組織学的に前立腺癌を確認,その場で除睾術を施行する。術中および術直後は特に異常は認められなかつたが,術日夜半,術後14時間を経て,高度の血尿,陰嚢,会陰部の皮下出血と共に明らかな出血傾向が現われた。既往歴,家族歴に特記することはなく,特に投薬も受けていない。
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