小さな工夫
簡便な溶石灌流液選択実験装置
荒木 徹
1
,
公文 裕巳
1
,
武田 克治
1
,
東条 俊司
1
,
大森 弘之
1
1岡山大学医学部泌尿器科学教室
pp.185
発行日 1980年2月20日
Published Date 1980/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202909
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溶石灌流液を用いて腎盂内で結石を溶解する試みが最近再び盛んになつている。サンゴ状結石摘出術時の取り残し,同手術後の再発例,あるいは尿管皮膚瘻に発生した腎結石などが本法の適応となる。溶解液はEDTA液,Solution Gなどが用いられるが,前者は蓚酸結石に対してはpH 8,燐酸またはStruvite結石にはpH 6に調整されたものが処方されている1)。しかし,摘出された結石をこれら灌流液で溶解してみると混合成分が多いこともあつて,この組み合せは必ずしも常に効果的とは限らず,両者に差がなかつたり,逆の組み合せの方が効果的な場合もある。
そこでわれわれは本法の適応例に対し,その患者から摘出した結石を以下に述べる簡単な実験装置を用いて溶石実験を行ない,溶石効果が最も秀れた灌流液を選ぶことにしている。
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