交見室
神経因性膀胱における排尿改善について/泌尿器科領域における中国式耳介穴探索法について
時実 昌泰
1
1兵庫医大泌尿器科学教室
pp.714-715
発行日 1979年7月20日
Published Date 1979/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202786
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本誌33巻2号に掲載された,小柳知彦先生らの「男子神経因性膀胱の排尿障害治療における解剖学的な経尿道的前立腺切除術の経験」を興味深く拝読していましたところ,編集室より意見を求められました。
神経因性膀胱における排尿改善の一法としてTUR-bladder neckおよびTU distal sphinctcrotomyが一般的でありますが,積極的にTUR-Pを行なう立場もあります。私も膀胱頸部の切開,切除にとどまらず,完全なTUR-Pを行なつた方が排尿効率がよい場合が多いと考えています。それは,前立腺の肥大,感染,結石などが併存していてneurogenic dysfunctionに加重している場合はもちろん,閉塞機転がなくても,α-adrenergic優位の括約筋尿道の一部でも切除されれば,用手排尿,薬物治療などの一助としてより有効かとの期待からです。著者らの方法は外科的被膜を露出させたのち,前立腺尖部では前立腺外腺の一部を切除されるわけで,おそらくintrinsic striatcd muscleの遠位部,いわゆるrhabdosphincterを切除する,一種のsympathectomyと拝察します。
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