特集 排尿自立への援助
神経因性膀胱患者の排尿リハビリテーション
山田 薫
1
,
玉屋 美由紀
2
1星ヶ丘厚生年金病院泌尿器科
2星ヶ丘厚生年金病院泌尿器科病棟
pp.747-758
発行日 1985年7月1日
Published Date 1985/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921127
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,わが国では高齢者社会に突入し,脳卒中や脳脊髄変性疾患が増加し,また交通事故や労働災害もますます増加している.一方,医学的には,プライマリ・ケアの進歩により,これらの症例は救命され,その結果,リハビリテーション医療の必要性は高まってきている.
20数年前には,脳脊髄に重大な障害を起こした場合,原因疾患そのものや泌尿器系合併症,呼吸器系合併症などにより,不幸な転帰をとる症例が少なくなかったが,最近は各方面の医療および看護水準の著しい進歩により,その予後がある程度安定してきた結果,障害患者の社会復帰(身体的,精神的,社会的な意味での)がリハビリテーション医療の主要なテーマとなってきている.社会復帰に向けては,障害の受容,患者を取り巻く周囲の人々への啓蒙,四肢の機能改善および排尿排便コントロールの確立が重要となる.したがって,リハビリテーション医療に携わるスタッフは各部門の連絡を密にし,総合的にかかわっていく必要がある.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.