文献抄録
睾丸腫瘍に対する化学療法剤の併用
pp.791
発行日 1970年9月20日
Published Date 1970/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200991
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著者らは17例の睾丸腫瘍の転移症例に化学療法剤の併用治療を行なつてその効果を臨床的に観察した。症例は転移の明らかに証明された15例の胎生癌と2例の奇形癌で,内12名は肺転移があり,5名は腹部に転移性腫瘤が認められた。尿のchoriouicgonadotropin価は7名に高値であつた。治療法は5-fluorouracil cyclo-phasphamide,methotrexate,vincr-stineの四者の併用で,1回の治療コースとしてS-FU 7.5mg/kg/dayを5日間連続,Cytoxan 7.5mg/kg/day,MTX 7.5mg/kg/day,VCR0.25mg/kg/dayを第1日と第4日に各静注する。治療は白血球数を指標に特に異常がなければ断続する。治療結果についてみると完全に治療に反応した症例は5名で,いずれも胎生癌で内1名はchoriouicの要素をもつていた。5名の軽快平均日数は9カ月で,要した治療コースは平均2.8であつた。完全に軽快経過を示した3名はgonadotropin価は陽性にでていた。有効であつた症例は2名で,転移腫瘤は1/2以下に縮少した。この2名はいずれも胎生癌であつた。治療効果は4コース後に現われ,平均7週日の軽快期間で,この2例はいずれもchoriouic gonado-tropin価は陰性であつた。
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