Japanese
English
手術手技
恥骨後前立腺摘除術
Retropubic Prostatectomy
加藤 篤二
1
,
岡部 達士郎
1
Tokuji Kato
1
,
Tatsushiro Okabe
1
1京都大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Kyoto University
pp.793-798
発行日 1970年9月20日
Published Date 1970/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200992
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前立腺肥大症に対する手術療法としては,前立腺へ到達する経路により経尿道的前立腺摘除術(TURP),会陰式前立腺摘除術,恥骨上前立腺摘除術,恥骨後前立腺摘除術などがあるが,いずれも一長一短があり優劣はつけ難い。恥骨後前立腺摘除術の長所には,膀胱を切開する必要がないこと,手術野が広いことなどがあり,腺腫が大きくTURPが不適当な場合や,また年齢が比較的若い場合も術後ヘルニアを来たしにくく,時に起こる大出血に対しても危険が少ないので適応があるといえる。しかし,手術時の出血量が多く,小腺腫,極度に肥満した場合には適しない欠点がある。
恥骨後前立腺摘除術は,1945年にMillinが報告して以来Millinの術式ともいわれ,その後追試,改良が加えられ,日本では昭和24年に市川,楠,土屋によつて紹介されて以来多数の推賞者がある。筆者は当初はMillinの術式を愛用し,しかし,いつの間にか縦切開の変法に変わり,この後はどちらかといえば恥骨上式を主にしている。最近では特別な適応以外は恥骨後式は行なつておらず,特に本術式の主張者ではない。本法の諸点についてはもはやいうべきことがないが,恒例によつて解説を加える。
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