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特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍)
Ⅲ.尿路・性器悪性腫瘍の化学療法
睾丸悪性腫瘍の化学療法
Chemotherapy of Testicular Cancer
辻 一郎
1
,
折笠 精一
1
Ichiro Tsuji
1
,
Seiichi Orikasa
1
1北海道大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Hokkaido University School of Medicine
pp.229-236
発行日 1972年12月25日
Published Date 1972/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201536
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はじめに
睾丸腫瘍の97%を占めるgerminal tumorの治療方針はその病理組織型によりかなり異なる。放射線感受性の高いセミノーマには高位除睾術後,放射線療法を追加するだけで根治的後腹膜リンパ清掃術は普通行なわない。放射線感受性の低い胎児性癌およびteratocarcinoma(未分化奇形腫)では,除睾術後原則として後腹膜リンパ清掃術を行ない,さらに必要あれば放射線療法を追加する。ただし小児,ことに乳児期の睾丸腫瘍(胎児性癌と未分化ないし分化型奇形腫)は一般に成人例に比して予後良好であり,乳児睾丸腫瘍で後腹膜清掃あるいは放射線療法が真に必要であるか否かについては現在意見が分かれている。絨毛上皮腫構造を示す睾丸腫瘍はきわめて悪性で早期より広汎な血行性転移を来すため,如何なる治療を行なつても予後不良である。
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