臨時増刊特集 診断基準とその使い方
XII.癌
睾丸腫瘍
東福寺 英之
1
1慶大泌尿器科
pp.2222-2224
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207644
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はじめに
睾丸腫瘍は定型的症例に関しては診断が困難ではない。しかし貯留腫などの合併症を伴ったり,原発巣がきわめて小さく,転移巣から本症が考えられる場合は必ずしも容易ではない.なお本症の診断に際しては慎重に,かつ的確に行い,そして早期の治療にふみ切ることが大切である.治療の時期が遅延することは広範な転移を招来し,予後をきわめて不良とする危険が増大する.治療は除睾術によって病理組織学的診断が下されてから始まるのであって終わるのではなく,診断基準の設定に治療上緊急的手術を要するものと保存的治療により経過観察を行ってよいものとの相違点に主眼を置くことにした.
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