文献抄録
睾丸腫瘍化学療法について
pp.1139
発行日 1980年12月20日
Published Date 1980/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203062
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睾丸腫瘍に対する抗癌剤の応用は1960年頃から試みられ,転移巣の完全緩解と2年以上再発をおこさないことを目標に多数の薬剤が臨床的に用いられた。単剤として治療に用いられた薬剤の主なものを文献的にみると,Phenilalanine, Cyclophospha-mide, Adriamycin, Actinomycin D,Mitramycin, Bleomycin, Vinblastinをはじめ最近ではCDDPなどがある。単剤として転移巣に効果の高いものは,Phenilalanine, Cyclophos-phamide, Vinblastin, CDDPなどと言われる。
しかし,近年では上記の抗癌剤を各種併用してその相乗効果と共に薬剤の副作用軽減を考えて,いろいろな組み合せで応用され,その成績が報告されている。1970年にはSamu-elsらがVinblastin(VBL)とBleo-mycin(BL)を用いて転移巣のCR36%と報告,その後これにActino-mycin Dを加えていわゆるVAB療法がMemorial Sloan KelteringCancer Centerから発表され注目されるようになつた。最近にいたつてCDDPの有効性が注目されると同時にCDDP, VBL, BLの三者併用投与で反応率(response rate)はほぼ100%,CRは60〜80%の好成績が報告されるようになつた。
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