文献抄録
20歳台以下の上皮性膀胱腫瘍
pp.732
発行日 1969年9月20日
Published Date 1969/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200751
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若年者の上皮性膀胱腫瘍の臨床については不明な点が多かつたので,この論文は1954年から64年にいたる間の10,000例に及ぶ上皮性膀胱腫瘍中から見出された,40例の20歳以下の患者について統計的観察を行なつたものである。
先ず性別については40例中男子36例,女子4例で圧倒的に男性に多く9:1。最年少者は6歳である。臨床症状としては血尿が最も多く35例が肉眼的血尿を呈し2例が顕微鏡的な血尿を示した。初期症状として排尿困難と頻尿を示したものは膀胱炎・前立腺炎と誤診される。若年者で(14歳以上)1日1箱半の喫煙をしていた者は18例で喫煙歴は症状発現の2ないし5年となつている。腫瘍は左・右の側壁にそれぞれ15例見られ,頚部に4例,後壁に2例で,1例のみ多発性であつた。腫瘍型について見ると38例は移行上皮癌であり,2例は扁平上皮癌と腺癌の各1例であつた。
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