交見室
膀胱非上皮性腫瘍,他
中薗 昌明
1
1栃木県立がんセンター
pp.992-994
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900486
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本誌44巻3号に平石らの膀胱の悪性中胚葉混性混合腫瘍が,また45巻6号に中川らの膀胱横紋筋肉腫の症例が報告された.良性腫瘍例として秋山らが45巻1号に膀胱平滑筋腫の1例を発表している.膀胱の非上皮性腫瘍は良性・悪性によらず稀な疾患であるが興味ある症例である.
最近小生らも膀胱平滑筋腫の1例を経験したので秋山らの症例に興味が引かれた.特にMRIによる画像診断に注目させられた.悪性腫瘍であれば多くの場合,膀胱全摘出術,尿路変向も第1義的な適応となるが,良性腫瘍であれば腫瘍の摘出術のみで良好な結果が期待でき膀胱機能も温存できる.問題になるのは術前の画像診断で良性,悪性の診断ができるか否かである.排泄性尿路造影,CTスキャンでは区別できない.超音波に関してはAlbest1)は区別できると考えているが,秋山らは区別しえなかったとしている.小生らも超音波像に良性腫瘍の特徴を見いだせなかった.MRI所見は秋山らの観察以外に報告がないが,秋山らは良性・悪性の区別が期待しえるとしている.今後の研究に負う所が大きい.
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