Japanese
English
手術手技
恥骨後前立腺・精嚢腺剔除術
Retropubic Prostato-Vesiculectomy
井上 彦八郎
1
,
三瀬 徹
1
,
宮川 光生
1
,
高橋 香司
1
,
佐藤 義基
1
Hikohachiro Inoue
1
,
Toru Mise
1
,
Mitsuo Miyagawa
1
,
Koji Takahashi
1
,
Yoshiki Sato
1
1大阪府立病院泌尿器科
1Department of Urology, Osaka Prefectural Hospital
pp.765-772
発行日 1969年9月20日
Published Date 1969/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200757
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Ⅰ.緒言
前立腺肥大症に対する外科的療法には,種々の到達経路による腺腫の剔除術が試みられてきており,それぞれ特徴ある操作によつてよい治療成績を挙げてきている。その内の1つである恥骨後前立腺剔除術も,他の術式に優るとも劣らない成績を多くの症例に示してきている。しかし,この術式も他の前立腺剔除術がそうであるように,2,3の点に問題が残されているようである。その主なものを挙げると,術後における血尿の持続期間が長いこと,後出血が出現すること,尿路感染の長期間存続とそれによる合併症のあること,そして術後排尿に関する異常が新しく発現したり,術前の症状がなおも残存することなどで,この点については本邦でも多くの人達の努力によつて改善されつつある。我々もこの術式で可能な範囲での注意を払い,また手術操作の上でいろいろと改良を加えてきたのであるが,それでもなおある症例に対しては満足すべき成績を得ることはできなかつた。そこでいろいろと検討した結果,以上の諸問題は膀胱頸部,前立腺床およびその後方にある精嚢腺に原因があることを知り,これらに対して何等かの操作を加えれば,この問題は多少なりとも解決され得るのではないかと考えた。
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