特集 アンチエイジング医学と泌尿器科
企画にあたって
堀江 重郎
1
1順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学
pp.1017
発行日 2013年12月20日
Published Date 2013/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103382
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抗加齢医学(アンチエイジング医学)とは,加齢という生物学的プロセスに介入を行い,加齢に関連する疾患の発症確率を下げ,健康長寿をめざす医学である。
抗加齢医学が注目されてきた背景には,まず加齢のサイエンスが進み,細胞生物学的なプロセスの1つとして介入の可能性があることがわかってきたことが大きい。ヒトの最大寿命は染色体のテロメアから算出すると120年ほどといわれている。しかし,われわれが実際に死亡する年齢は残念ながらずっと若い。この「期待寿命」の達成を阻むものが老化因子と考えられ,1つの要因として酸化ストレス仮説が,エビデンスの存在するサイエンスとして認識されつつある。酸化ストレスは活性酸素によるタンパク質,核酸,脂質など生体成分への酸化修飾であり,その結果として種々の臓器機能障害が惹起される。この酸化ストレスの代謝プロセスに介入することによって臓器障害を予防し,健康長寿に貢献できる可能性がある。
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