特集 古くて新しい前立腺炎の臨床
企画にあたって
高橋 聡
1
1札幌医科大学医学部泌尿器科
pp.811
発行日 2012年10月20日
Published Date 2012/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102918
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まさに「前立腺炎」は,古くて新しい疾患であり,古くから現在まで,泌尿器科医にとって悩ましい疾患である。泌尿器科医にとってわかっているようでわかっていない疾患であると思われるが,最新の研究結果も含めて知識を整理することは,本疾患を理解するうえで欠かせない。そこで,この企画を立案するにあたっては,筆者の先生方に最新の研究結果の解説と,さらに,「臨床現場でいかに対処すべきか」という点を強調していただいた。この企画が,臨床現場で少しでもお役に立てることができれば幸甚である。
前立腺炎の分類については,臨床の目線で解説をしていただいた。「急性細菌性前立腺炎」は,泌尿器科領域では重症感染症と考えられるが,現状では耐性菌を念頭においた治療が必要であり,臨床現場で活用すべき治療の解説をしていただいた。重症化する症例を見極めることが対応としては重要であるが,さまざまな因子による判断が可能となれば,臨床現場で大いに役立つ。その可能性について提案していただいた。「慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群」は,古くから難治性の症例ヘの対応が悩ましい疾患である。ただ,最新の研究結果がいくつも示されている。執筆される先生方には,病因,診断,治療に関して,臨床現場で活用ができる解説をお願いした。さらに,本疾患がある意味除外診断として診断される性質のものであることを考慮し,他の症状や疾患について見逃さないための解説もお願いした。
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