特集 泌尿器科救急疾患―あなたの対処は間違っていませんか?
企画にあたって
藤岡 知昭
1
1岩手医科大学医学部泌尿器科学教室
pp.739
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103312
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- 文献概要
効果的な救急処置や治療を実施することにより,救急患者の救命および病態の回復・改善により社会復帰を果たすことは各専門領域を超えて,すべての医師に共通の責務だと思います。泌尿器科医が担当する救急処置は,緊急的な判断を必要とする外傷や腎・尿路疾患,さらに急性陰囊症に代表される性器・陰囊疾患が主なものですが,通常,二次あるいは三次医療として位置付けられていると思います。したがって,泌尿器科医の実力を発揮できる救急医療現場は,泌尿器科医の存在意義を示す絶好の機会でもあるわけです。
本特集では,泌尿器科の日常診療において遭遇する確率の高い肉眼的血尿と膀胱タンポナーデ,尿閉と無尿,尿路感染症,尿路外傷,尿路結石,精索捻転と精巣破裂はもとより,泌尿器専門医として習得しておくことが必須と思われる腎梗塞と腎動静脈瘻,陰茎絞扼症と陥頓包茎,持続勃起症と陰茎折症,ブルニエ壊疽の病態を抽出し,それぞれに対する処置の要点および配慮すべき問題点について,全国の第一線で活躍されて実践経験の豊富な先生方に執筆をお願いしました。いずれの項目の論文も臨床上の問題を捉えた整理された内容で,多くの本誌読者の皆様の知識欲をかきたてるものとおもいます。よって,泌尿器科のみならず研修医の日常診療に役立つものと確信します。
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