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編集後記
大家 基嗣
pp.712
発行日 2012年8月20日
Published Date 2012/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102893
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加藤茶さん,堺正章さん,ラサール石井さんの年の差婚が話題になっています。インタビューでの様子は皆さん自然体で,話題になること自体が疑問だと言いたげな様子でした。直接お聞きしたわけではありませんが,ご本人達は自然の経緯で結婚したのであって,とやかく言われる筋合いはないと考えていらっしゃるのではないでしょうか。
体は年齢とともに衰えをみせても精神は年をとるとは限らない気がします。人生の年輪を重ねるに従って,人生を客観的に見る視点が養われてきます。その結果,自分の限界がはっきりと見え,できないことは捨て,できることに集中する。それゆえ,より積極性が増し,気持ちが若返るのではないかという気がしてきました。ただし,それは人生の艱難辛苦を乗り越え,充実した人生を歩んできた人に限られた特権のような気もします。「真実な人間とは自己の青春を終えることの出来ない人間だと言ってもいい」とはチャタレー裁判で有名であった文学者伊藤整氏の言葉です。ネガティブな面を見ると「年寄りの冷や水」かもしれませんが,限られた人生の時間をポジティブに生きようとする情熱を感じ取ることができます。
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