Urological Letter・433
結石破砕に際しての患者の体位の工夫
pp.1068
発行日 1987年12月20日
Published Date 1987/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204633
- 有料閲覧
- 文献概要
29歳の男性が左下腹部の痛みを訴えて救急室に歩いてやつてきた。尿路のX線検査で左の下部尿管に約5×8mmの結石があることがわかつた。筆者の勤めている病院には透視装置がないので尿管鏡も使えなかつた。No.5のwhistle-tipカテーテルを入れ,キシロカインや生理食塩水を注入したが結石を腎盂内へ押し上げることはできなかつた。結石はもとの位置に留まり,カテーテルの先は腎盂内に入れたままになつた。
そこで患者を結石破砕装置の所へつれて行つた。ここで患者を75〜90°の角度に位置させた。この位置で破砕が可能なわけである。そこで2,400のショックウェーブを当てたのであるが,結石にうまく当たらなかつた。そこで頭を支える台をはずし,その代りにタオルを何枚も重ねて頭の下におき,これが特に大事だと筆者は考えていることだが,胸腰椎部にfoam-padを入れてsitting-up positionにした後でショック・ウェーブを当てた。こんどは容易に破砕がきた。そしてカテーテルは翌日抜去した。患者はその後順調である。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.