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特集 進行性腎癌に対する分子標的治療薬・薬剤選択ガイド
サイトカイン既治療進行性腎癌における分子標的治療は何が最適か
Which is the best molecular target drug for cytokine-refractory metastatic renal cell carcinoma?
福森 知治
1
,
金山 博臣
2
Tomoharu Fukumori
1
,
Hiro-omi Kanayama
2
1徳島大学病院泌尿器科
2徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部泌尿器科
キーワード:
進行性腎細胞癌
,
サイトカイン治療
,
分子標的薬
,
セカンドライン治療
Keyword:
進行性腎細胞癌
,
サイトカイン治療
,
分子標的薬
,
セカンドライン治療
pp.27-31
発行日 2012年1月20日
Published Date 2012/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102586
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要旨 進行性腎細胞癌の治療は,インターフェロン(IFN)-αやインターロイキン(IL)-2などのサイトカイン療法が広く用いられてきたが,その奏効率は10~20%程度と低く,特に肺転移以外の転移巣に対する効果が極めて低いという限界があった。近年,血管内皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(vascular endothelial growth factor receptor-tyrosine kinase inhibitor:VEGFR-TKI)やmammalian target of rapamycin(mTOR)阻害剤などの分子標的薬が使用可能となり,治療の選択肢は格段に広がった。しかし,サイトカイン療法後の分子標的薬でCRを得ることはいまだ困難であり,セカンドラインでどの薬剤が最適であるかの結論を出す十分なエビデンスはない。現時点では,患者因子,腫瘍因子の両者を考慮して,薬剤を選択する必要があると思われる。今後も,サードライン,フォースラインも含めたsequential therapyの検討が必要である。
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