特集 甲状腺疾患アップデート:明日から役立つ最新知見
遺伝子異常および腫瘍関係の新知見
進行・再発甲状腺癌に対する分子標的薬治療と光免疫療法
田中 伸和
1
,
田原 信
1
1国立がん研究センター東病院頭頸部内科
キーワード:
甲状腺癌
,
分子標的薬
,
RET
,
BRAF
,
光免疫療法
Keyword:
甲状腺癌
,
分子標的薬
,
RET
,
BRAF
,
光免疫療法
pp.659-663
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000263
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1 進行・再発甲状腺癌の薬物療法には分子標的薬が用いられ,分化型甲状腺癌に対するレンバチニブとソラフェニブ,甲状腺髄様癌に対するバンデタニブがプラセボとの比較で統計学的有意に無増悪生存期間を延長させた.
2 RET遺伝子異常を有する甲状腺癌ではセルペルカチニブが良好な抗腫瘍効果と安全性を示したことから積極的な遺伝子異常の検索が推奨され,遺伝子異常に基づいた分子標的薬としてBRAF遺伝子異常に対する治療開発が進んでいる.
3 光免疫療法は切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部癌に対して適応を取得した新規治療(甲状腺癌は適応外)であり,抗体と光感受性物質の複合体を腫瘍細胞と結合させ,レーザ光の照射により腫瘍細胞を破壊するという2段階によって作用する.
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