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特集 進行性腎癌に対する分子標的治療薬・薬剤選択ガイド
未治療・low-intermediate risk進行性腎癌において免疫療法と分子標的治療のどちらが最適か?
Cytokine therapy or molecular targeted therapy:which is optimal treatment for untreated patients with metastatic renal cell carcinoma who are classified as low-or intermediate-risk according to Memorial Sloan Kettering Cancer Center risk classification?
篠原 信雄
1
Nobuo Shinohara
1
1北海道大学大学院医学研究科腎泌尿器外科
キーワード:
分子標的療法
,
免疫療法
,
生存期間
Keyword:
分子標的療法
,
免疫療法
,
生存期間
pp.11-16
発行日 2012年1月20日
Published Date 2012/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102582
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要旨 分子標的療法剤の登場とともに,転移を有する腎癌症例に対する治療は大きく変化してきた。これらにより,有転移腎癌の予後も大きく改善するものと期待されている。一方,本邦においてはIFN-αを中心とした免疫療法が現時点でも広く用いられ,欧米以上の優れた治療成績を上げている。自験例の検討から,MSKCCリスク分類のfavorable risk,intermediate risk群の未治療有転移腎癌では,IFN-αはsunitinibとほぼ同等の生存期間が得られることが明らかになった。臓器別検討では,IFN-αの有用性は肺単独転移例やリンパ節単独転移例で高いことから,これらの症例には初回治療としてIFN-αを含む免疫療法,それら以外の症例ではsunitinibが初回治療剤として勧められる。今後多数例の解析から,これらの症例に対する適切な治療薬選択基準が作成されることが望まれる。
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