特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅱ 体腔鏡下手術
■後腹膜鏡下根治的前立腺摘除術
044 Intra-fascial nerve sparingはどうすればよいか
山田 裕紀
1
,
頴川 晋
1
Hiroki Yamada
1
,
Shin Egawa
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科
pp.126-128
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102290
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Q 後腹膜鏡下根治的前立腺摘除術を予定している症例。同時にintra-fascial nerve sparingを施行する予定でいる。その方法および注意点は何か。
[1]概 説
陰茎海綿体神経を含む神経血管束を温存する手技でも,intra-fascial nerve sparing(intra-NS)は,prostatic capsule(PC)とperiprostatic fascia(PPF)の間のintrafascial planeを展開する神経温存手技を指す。PPFの内側で血管茎を処理し,PPFの外側で展開したものがinter-NS,PPFの内側で展開したものがintra-NSである(図1,2)。前面から膀胱と前立腺を切離後,Stolzenburgら1,2)も提唱している前立腺底部,背側からのこのintrafascial planeを展開するアプローチによる方法を通常行っている。ほかにも,Menonら3)の提唱する腹側よりLPF(lateral pelvic fascia)を切開し,同planeに入るapproachを併用することもある。なお,基本的には後腹膜鏡下手術,腹腔鏡下手術どちらにおいても,手技自体は相違なく行うことができる。
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