特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅱ 体腔鏡下手術
■後腹膜鏡下根治的前立腺摘除術
046 膀胱と前立腺の境界が判別できない
山田 裕紀
1
,
頴川 晋
1
Hiroki Yamada
1
,
Shin Egawa
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科
pp.132
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102292
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Q 後腹膜鏡下根治的前立腺摘除術を開始した症例。膀胱と前立腺の境界が判別しづらく,うまく剝離できない。
[1]概 説
鏡視下手術では,開放手術と異なり触覚から得られる情報が少ないこともあり,膀胱頸部前立腺移行部の同定が難しい。さらに,前立腺の大きさや形は個人差が大きいことが,膀胱頸部の切離操作を本術式中で難しい工程の1つにしている。施設によっては,鈍な鉗子で硬さを確認しながら境界を判断する,尿道カテーテルを数回牽引して境界部を同定する,あるいは膀胱頸部付近の前立腺前面に針糸を掛けて前立腺の輪郭を確認する,などの工夫がされている。
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