講座 図解病態のしくみ 消化器疾患・26
Parenteral & Enteral Nutrition(5)—Protein-Sparing Therapy
松枝 啓
1
Kei Matsueda
1
1国立病院医療センター・消化器内科
pp.719-726
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217724
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先月号では,必要カロリー量および蛋白質量の算出法,そしてProtein-Calorie Malnutritionの合理的治療法の選択について述べた.今月号では,それらの治療法のうちの1つであるProtein-Sparing Therapyにっいて述べたい.このProtein-Sparing Therapyは先月号で述べたごとく,一過性の半飢餓状態にある患者で,しかも体重が理想体重の90%以下でないなど,栄養不良状態の程度が軽度である場合に,骨格筋からのアミノ酸の遊出を防ぎ,Protein-Calorie Malnutritionの出現の予防または増悪を防ぐ目的で施行される治療である.すなわち,このProtein-Sparing TherapyはMaintenance Prevention Therapyであり,重篤なProtein-Calorie Malnutritionの出現を予防するための早期療法であって,その臨床的意義は大きい.
以下,このProtein-Sparing Therapyの病態生理,治療法の選択および適応,そして治療上のポイントなどについて述べたい.
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