小さな工夫
軟性膀胱鏡を用いた尿管カテーテル挿入法
高沢 亮治
1
,
北山 沙知
1
,
辻井 俊彦
1
1都立大塚病院泌尿器科
pp.280-281
発行日 2009年3月20日
Published Date 2009/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101679
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軟性膀胱鏡(軟性鏡)は硬性鏡に比べて挿入時の苦痛が少なく,特に男性患者にとって軟性鏡の普及は福音である。当然,軟性鏡を用いた尿管カテーテル挿入法も各施設で工夫されていると推察するが1,2),今回は当院で行っている方法について紹介する。
当院ではオリンパス社製軟性鏡CYF TYPE VA®(16.2Fr)を使用している。まず砕石位をとってリドカインゼリー10mlで尿道粘膜麻酔を行う。軟性鏡を挿入して膀胱内を観察したのち,ガイドワイヤー(Sensor Guidewire, Flexible Straight, 0.035 inch, 150cm, Boston Scientific社製)を先端まで通した尿管カテーテル(Open End Ureteral Catheter, 5Fr, 70cm, 同社製)を尿管口から挿入する(図1)。軟性鏡のチャンネル口径に合わせて5Frのカテーテルを使用している。以前はそのまま逆行性造影を行っていたが,現在はこの段階でガイドワイヤーとカテーテルを残しつつ軟性鏡を抜去してから造影している。軟性鏡先端とチャンネル入口との長さは約55cmで,カテーテルの長さは70cmであるため,男性では軟性鏡を抜去する際にいったんカテーテルが手元に見えない状態になるが,カテーテルをチャンネル入口に押し込んでから軟性鏡を抜き,軟性鏡先端が抜けた瞬間に外尿道口でカテーテルをつかめば,カテーテル先端が尿管口から抜けてしまうようなことはない。
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