特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
1.尿路・性器の炎症性疾患
■非特異性感染症
【精囊炎】
11.血精液を呈する患者です。対処と処方について教えてください。
野田 賢治郎
1
1東京医科大学八王子医療センター泌尿器科
pp.46-47
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101387
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1 診療の概要
血精液症とは,文字どおり精液に血液が混入する状態で,患者にとっては衝撃的な症状である。泌尿器科外来診療における症状としては決して稀なものではなく,当科での男性初診患者の主訴としての頻度は1.3%である。年齢は20~60歳代の各年代に一様に分布し,40歳代に最も多い1)。約6割で随伴症状を認めないが,年齢が上昇するにつれて,頻尿,排尿困難,肉眼的血尿,下腹部痛などの症状を伴う症例が増加する1)。血精液症の原因疾患を表12)にまとめる。
炎症と感染は前立腺・精囊炎,前立腺・精囊結石,結核などが,精路の閉塞や囊胞は精囊囊胞,射精管囊胞,ミュラー管囊胞などが,腫瘍は前立腺・精囊悪性腫瘍などが,血管系の異常は尿道血管腫,精囊静脈瘻などが,全身疾患は高血圧,アミロイドーシス,アレルギーなどが,医原性としては前立腺生検などが報告されている。その頻度は炎症と感染が42~67%3~7)と最多である。
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